問い合わせフォームやメールから連絡が来たとき、その場では「あとで返信しよう」と覚えていても、ほかの仕事が重なると対応を忘れてしまうことがあります。
特に個人事業主や小規模な会社では、問い合わせ対応だけを担当する人がいるとは限りません。
電話、メール、問い合わせフォームなど複数の窓口から連絡が入ると、
「返信したつもりだった」「誰かが対応していると思っていた」「確認中のまま止まっていた」
ということも起こりやすくなります。
問い合わせ管理で大切なのは、単に「返信したか」を覚えておくことではありません。
受付から完了まで、今どの状態にあり、次に何をする必要があるのかを分かるようにすることが重要です。
この記事では、問い合わせ対応の漏れを減らすために、何を記録し、どのように管理すればよいのかを基本から整理します。
問い合わせ対応漏れが起きるのはなぜ?
受信メールを見たことと対応完了は別
メールを開いて内容を確認しただけでは、問い合わせ対応が終わったとは限りません。
たとえば、
- 詳細を確認してから返信する
- 社内の担当者へ確認する
- 見積書を作成する
- 資料を送る
- 相手からの返答を待つ
など、その後に別の作業が発生する場合があります。
既読になったことで「対応した」と思い込み、次の作業を忘れてしまうことがあります。
問い合わせ後には複数の作業が発生する
問い合わせは、1回返信すれば終わるものばかりではありません。
「確認して改めて連絡します」と返信した場合、その時点では問い合わせはまだ完了していません。
重要なのは、
今どこまで進んでいて、次に何をする必要があるのか
を残しておくことです。
誰が対応するか決まっていないと止まりやすい
複数人で仕事をしている場合、
「誰かが返信するだろう」
という状態が最も危険です。
逆に一人で対応している場合でも、複数の問い合わせを同時に処理していると、どの案件から対応すべきか分かりにくくなります。
担当者と期限を明確にするだけでも、問い合わせの状況を把握しやすくなります。
問い合わせは一か所で管理する
問い合わせの入口が複数あっても、管理する場所はできるだけ一つにまとめます。
たとえば、
- メール
- 問い合わせフォーム
- 電話
- 店頭や口頭
などから連絡が入る場合でも、最終的には一つの管理表へ記録する方法があります。
問い合わせごとに1行で記録する
問い合わせごとに一つの行を使い、
「誰から・何について・現在どうなっているか」
を確認できるようにします。
情報を一か所へまとめることで、複数のメールやメモを探し回る必要が減ります。
受信箱だけを管理表代わりにしない
メールの未読・既読は、「メールを開いたかどうか」を確認する機能です。
しかし、
- 誰が対応するのか
- 次に何をするのか
- いつまでに対応するのか
- 相手の返事を待っているのか
- 完了しているのか
までは分かりません。
問い合わせ件数が増えてきたら、受信箱とは別に対応状況を整理する方法を考えた方が管理しやすくなります。
問い合わせ管理表に入れておきたい基本項目
問い合わせ管理表を作る場合、最初から複雑なものにする必要はありません。
たとえば、次のような項目から始められます。
| 項目 | 管理する内容 |
|---|---|
| 受付日 | 問い合わせを受けた日 |
| 問い合わせ元 | 誰からの問い合わせか |
| 内容 | 何についての問い合わせか |
| 担当 | 誰が対応するか |
| 状態 | 未対応・対応中・確認待ち・完了など |
| 期限 | 次に対応・確認する日 |
| 次の行動 | 返信・確認・資料送付など |
| 完了 | 対応が終わったか |
業務に合わせて必要な項目を増減してください。
大切なのは項目数を増やすことではなく、現在の状況がすぐ分かることです。
ステータスは増やしすぎずシンプルにする
問い合わせ管理では、状態を表すステータスを決めておくと分かりやすくなります。
最初は、
- 未対応
- 対応中
- 確認待ち
- 完了
程度でも十分です。
「返信済み」と「完了」は同じとは限らない
返信を送ったからといって、すべての問い合わせが完了するとは限りません。
たとえば、
「確認して改めてご連絡します」
と返信した場合、まだ次の対応が残っています。
返信の有無だけではなく、
問い合わせそのものが完了したか
を見ることが重要です。
「確認待ち」を見落とさない
問い合わせ対応で忘れやすいのが、自分側の作業が一度止まった案件です。
たとえば、
- 顧客からの追加情報待ち
- 社内担当者からの確認待ち
- 取引先からの回答待ち
といったものです。
こうした案件は「確認待ち」として残し、必要であれば確認する日も決めておきましょう。資料の確認依頼や修正・承認の進捗管理については、確認・承認の抜け漏れを防ぐ方法も参考になります。
担当者・期限・次の行動を決める
問い合わせを管理するときに特に重要なのが、
担当者・期限・次の行動
の3つです。
担当者を曖昧にしない
複数人で対応する場合は、誰が担当しているのか分かるようにします。
一人で管理している場合でも、担当者欄があると、将来業務を引き継ぐときに状況を整理しやすくなります。
担当変更時の引き継ぎ方法については、業務引き継ぎで抜け漏れを防ぐ方法で解説しています。
「あとで返信」ではなく期限を決める
「時間ができたら対応する」では、ほかの仕事に埋もれてしまうことがあります。
具体的な日時まで決める必要がない場合でも、
「今日中」「明日確認」「○日まで」
など、自分が次に確認するタイミングを決めておくと管理しやすくなります。
次にすることまで書く
現在の状況だけでなく、
- 顧客へ返信
- 担当者へ確認
- 資料を送付
- 見積内容を確認
など、次の行動まで書きます。
「確認中」とだけ書くより、
「○○について担当者へ確認中。回答後に顧客へ返信」
のように残した方が、次の作業が分かりやすくなります。
問い合わせ対応履歴を簡単に残す
すべてのメール本文を管理表へコピーする必要はありません。
管理上必要なポイントだけ残します。
いつ返信したか
返信日を残しておけば、「まだ返信していないのか」「すでに連絡済みなのか」を確認できます。
何を確認したか
必要に応じて、
「料金について回答」「在庫確認中」「必要書類を案内」
など、簡単な要点を残します。
次回連絡が必要か
返信した後も作業が残っている場合は、
「次にいつ確認するか」
まで決めておくと安心です。
「完了」の条件を決めておく
問い合わせ管理では、何をもって完了とするのかを決めておくことも大切です。
業務によって異なりますが、たとえば、
- 質問への回答が完了した
- 必要な資料を送付した
- 日程が確定した
- 相手から必要な情報を受け取った
- 依頼された対応が終了した
などがあります。
単にメールを返信した時点ではなく、その問い合わせで必要な対応が終了したかを確認します。
少ない件数ならExcelやスプレッドシートでも始められる
問い合わせの件数がそれほど多くない場合は、専用システムを導入しなくても、ExcelやGoogleスプレッドシートなどで管理表を作ることができます。
最初は、
- 受付日
- 問い合わせ元
- 内容
- 担当
- ステータス
- 期限
- 次の行動
程度から始めても構いません。
実際に使いながら、
「この項目は必要」「これは使わない」
と調整していく方が、使いやすい管理表になります。
見た目を複雑にすることより、
対応が止まっている問い合わせをすぐ見つけられること
を優先してください。
問い合わせ件数が増えたら専用ツールも検討する
Excelやスプレッドシートで管理できる範囲には限界があります。
たとえば、
- 問い合わせ件数が大幅に増えた
- 複数人で頻繁に対応するようになった
- メール以外にも複数の窓口をまとめて管理したい
- 詳細な履歴や分析が必要になった
といった場合は、専用の問い合わせ管理ツールやCRMなどを検討する方法もあります。
最初から大規模な仕組みを導入する必要はありません。
現在の件数や業務の複雑さに合わせて選ぶことが大切です。
管理表や返信文を一から作る時間を省きたい場合
ここまで紹介した内容は、ExcelやGoogleスプレッドシートなどを使って自分で作成しても問題ありません。
一方で、
「管理項目を考えるところから始めるのは大変」「返信文を毎回ゼロから考える時間を減らしたい」
という場合は、あらかじめ用意されたテンプレートを使う方法もあります。
顧客問い合わせ対応スターターキット|受付・返信・完了管理
※この記事では、当サイト運営側が制作・販売しているBOOTH商品をご紹介しています。
「顧客問い合わせ対応スターターキット|受付・返信・完了管理」は、問い合わせを受けてから対応が完了するまでの情報を整理するための実用テンプレートです。
問い合わせ管理表を使って、
- 受付
- 対応状況
- 期限
- 次に行う対応
- 完了
などを整理する用途を想定しています。
また、問い合わせへの返信文を毎回ゼロから考える負担を減らすため、よくある対応場面で返信文を考える際のたたき台として使える返信テンプレートも含まれています。
記入例を見ながら使い方を確認でき、問い合わせを受けてから完了確認までの流れを整理するための運用手順も収録されています。
返信テンプレートは、そのまま無条件で送信するものではありません。
相手や問い合わせ内容、自社の対応方針に合わせて確認・修正して使用してください。
自分で管理表や返信文を作れる場合は、この記事で紹介した内容を参考に作成すれば問題ありません。
一方で、管理表や返信文を一から用意する時間を省き、問い合わせの整理から始めたい場合には選択肢の一つです。
顧客問い合わせ対応スターターキット|受付・返信・完了管理
問い合わせ対応についてよくある質問
問い合わせ管理表は何件くらいまで使えますか?
一律に「何件まで」と決めることはできません。
問い合わせ件数だけでなく、担当人数や対応内容の複雑さによっても変わります。
管理表では状況を追いにくくなってきたら、専用ツールへの移行を検討するタイミングと考えるとよいでしょう。
メールの未読・既読だけではだめですか?
未読・既読で分かるのは、基本的にメールを開いたかどうかです。
返信済みか、誰が担当しているか、次の対応が必要か、完了しているかまでは管理できません。
問い合わせが増えてきた場合は、別途対応状況を整理した方が把握しやすくなります。
担当者が一人でも管理表は必要ですか?
一人で対応していても、複数の問い合わせを並行して処理する場合には役立ちます。
特に「確認待ち」や「後日返信」が増えると、記憶だけで管理するのは難しくなります。
返信テンプレートはそのまま送ってもよいですか?
テンプレートは文章を考える際のたたき台として利用し、必ず内容を確認してください。
問い合わせ内容、相手との関係、自社のルールに合わせて調整してから送信することが大切です。
まとめ|問い合わせは「返信したか」ではなく「完了したか」で管理する
問い合わせ対応で重要なのは、メールを読んだか、返信を送ったかだけではありません。
- 受付したか
- 誰が担当するか
- 期限はいつか
- 現在どの状態か
- 次に何をするか
- 完了したか
を一か所で確認できる状態を作ることが大切です。
件数が少ないうちは、ExcelやGoogleスプレッドシートなどを使ったシンプルな管理から始めても十分です。
まずは現在の問い合わせを一覧にし、
「今止まっているものはないか」
を確認できる状態を作ってみてください。
問い合わせ管理表や返信文を一から作る時間を省きたい場合は、当サイト運営側が制作した「顧客問い合わせ対応スターターキット|受付・返信・完了管理」も選択肢の一つです。
顧客問い合わせ対応スターターキット|受付・返信・完了管理
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